« Cannonball!【TOKYO⇒OSAKA】 ①始動 東京⇒神奈川 | トップページ | Cannonball!【TOKYO⇒OSAKA】 ③東海の巨人 静岡(前編) »

2010年10月19日 (火)

Cannonball!【TOKYO⇒OSAKA】 ②天下の険、箱根

 街中を抜けると道が登り気味となってきた。この中途半端な登りが何気にキツい。スピードは20km/h前後まで落ちる。心は急くがここは本番までの前哨戦だ。こんなところで足を使うわけにはいかない。何せこれから闘うのはキャノボ全行程の中でも最大最強の敵、箱根旧道なのだから。

 コンビニを出てから6km弱、三枚橋が見えてきた。これから始まる闘いの前に箱根との思い出が蘇る。

 VTR250に乗っていた時は毎朝のように箱根を攻めていた。
 自転車に慣れた頃、箱根峠でヒルクライムばかりしていた。
 トレイルランの練習フィールドは箱根の山だった。

 ここ数年、俺は常に箱根の山と共にあった。そして今、キャノボ中最大最強の敵として俺の前に立ちはだかる。
 三枚橋を渡ったところで計測をスタート。もっとも、本気でアタックはしない。この闘いの勝利条件は足を残して登り切る事だ。
 コンビニを過ぎるといきなり急坂となる。ギアをインナーローに入れた。俺のギアは前50-34、後ろ11-21。コンパクトドライブとはいえ、パワーのない俺にとって34*21で箱根に挑むのは厳しい。しかも足を残さねばならないのだ。スピードを上げる為ではない、足を休ませる為のダンシングと組み合わせながらなんとか急坂を乗り越えていく。
 心拍はあっという間に170を超える。抑えて登っているつもりだが、普段と値は変らない。しかし息はいつもより楽だ。ここでも俺は自分の感覚を優先した。心拍計は練習の時以外は信用しない。ハセツネだって自分の感覚を信じて突き進み、サブ10を果たしたのだ。
 黙々と深夜の箱根旧道を登る中、ふと見上げると素晴らしい星空が広がっていた。「うお~、すげ~」と無意識に呟いた。なんだか楽しくなってきて、脳内に音楽が流れ出す。曲は「ペガサス幻想」(笑)。この常識外れの挑戦に対して叩きつけるように、
「熱く燃やせ~、奇跡を起こせ!」
とそこだけ声に出してやった。どーでもいいが昔のアニソンて無駄に熱いな~。

 時はすでに深夜1時を過ぎている。道は旧道最大の山場、七曲に突入していた。看板には平均勾配10%と表示されているが、そんなもんじゃないだろう。特にイン側を曲がる時は(壁かよ…)と思ってしまう。
 後方から激しいスキール音が聴こえてきた。恐れていた走り屋の登場だ。俺は自転車を降り、歩道へ逃げて車が通り過ぎるのを待つ。彼らの行いは危険行為だと思うが、俺に責める資格はない。俺のやっていることも十分以上危険行為だ。
 通り過ぎた後、登りを再開する。少しするとコーナー付近で先ほどの車が止まっていて、2人程ガードレールに腰を掛けて休んでいた。物凄い奇異なモノを見る目がこちらに向いている。取りあえず危険人物では無い事を示す為、輝くようなさわやかな笑顔を浮かべて「こんばんは~」と声をかける。彼らはそれに対し戸惑い交じりの笑顔で「こんばんは」と返してきた。
(なぜだ、こんなにさわやかな笑顔を浮かべてさわやかに挨拶しているのにっ)
甚だ疑問ではあるが、気を取り直してヒルクライムに集中する。

 七曲を終え、心霊スポットお玉ヶ池を過ぎ、ついにヒルクライム計測終了地点、畑宿入口信号に辿り着く。タイムを見ると46:07だった。いつもとあんまかわんねーな(笑)。
(全開で登ったら新記録を樹立できたのだろーか)
そんな事を思いながら芦ノ湖に向かって下っていく。足はノーダメージとはいかないが、まだまだ元気。今回はからくも勝利することができたようだ。
 芦ノ湖のセブンイレブンがこんな時間でもやっていることに驚きつつ、箱根駅伝往路ゴール地点を過ぎると道は再び登りとなった。これを終えれば静岡入りだ。黙々と登っていると「道の駅箱根峠」が見えてきた。ここには道路ライブカメラがある。
(キャノボ板の住人が挑戦者の姿を捉えてキャプチャしているが、俺の姿も撮ってくれているのかな……。)
そんな事を考えていた。

 時間は丑三つ時も迫る1:41。闘いの舞台は東海の巨人、静岡へ移ろうとしていた。

« Cannonball!【TOKYO⇒OSAKA】 ①始動 東京⇒神奈川 | トップページ | Cannonball!【TOKYO⇒OSAKA】 ③東海の巨人 静岡(前編) »

自転車」カテゴリの記事

Cannonball」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Cannonball!【TOKYO⇒OSAKA】 ②天下の険、箱根:

« Cannonball!【TOKYO⇒OSAKA】 ①始動 東京⇒神奈川 | トップページ | Cannonball!【TOKYO⇒OSAKA】 ③東海の巨人 静岡(前編) »